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昭和電工、LIB向け正負極用導電助剤の生産能力増強

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 昭和電工は、リチウムイオン電池(LIB)向け正負極用導電助剤「VGCF(気相法炭素繊維)」の生産能力を増強する。車載向けLIBの需要増大にあわせ、同社川崎事業所の年産200トンの生産能力を、2017年末までに段階的に年産300トンへ引き上げる。

 LIB材料市場は、スマートフォンなどの小型用途向けに加え、車載用をはじめとした大型用途向けの需要により急速に拡大している。特に中国における電気自動車市場は大幅に拡大しており、さらには欧州におけるCO2排出量規制を受けた電気自動車の市場投入加速などで、今後もLIB市場は堅調に推移することが見込まれる。

 昭和電工は、これまでもLIB市場の動向に応じて供給体制を整備してきたが、今回の拡大は当初の予想を上回ることから、生産能力の増強を決定したもの。今回の能力増強は需要動向を勘案しながら段階的に行う予定で、2017年上期に年産250トンに引き上げた後、2017年末には完工する。

 VGCFはLIBの正極材、負極材いずれにも添加される導電助剤。LIBは充放電を繰り返すことで膨張・収縮するため、活物質同士の接点が徐々に失われるが、導電助剤は接点の失われた活物質同士をつなぐ役割を持ち、電池の劣化を抑制する。粒子状の導電助剤に比べ、繊維状のVGCFは分散性が高く、少量の添加でLIBの高容量化、長寿命化を可能にする。熱伝導性も高く、電極からの放熱を促進し、LIBの安全性を向上させる。