日本精工は本年11月8日の創立100周年の記念プロジェクトとして、神奈川県藤沢市の同社藤沢工場で「世界でも最も楽しい工場案内プロジェクト」を実施する。劇作家で演出家の柴 幸男氏が、同社の工場紹介を楽しく、明るく、わかりやすく演出する。
同社は創立100周年を機に「NSKビジョン2026」を策定。“グループ各人が新たな一歩を踏み出し、新しい動きをつくり出すことで、変化を続ける社会に対応し、社会と共に成長を続けていく”ビジョンを掲げた。これに沿って、様々なフィールドで新しい動きを形にしている人々と一緒に、新たな動きをつくり出す多様なプロジェクトを実施している。
その取り組みの一つとして、1937年の操業開始以来、鉄道、鉄鋼、工作機械、風力発電機など幅広い産業向けに高品質な様々なベアリングを生産してきた藤沢工場を劇場に見立て、柴幸男氏が「知って、笑って、腑に落ちる」をテーマに、演劇のテクニックを用いて、同社の技術、歴史、働く人の一日を楽しく、わかりやすく紹介する。柴氏による演技指導のもと、同社社員が実際の工程を一緒に周りながら、鉄が800℃で焼入れされる様子や、鉄を精緻に削る工程、ベアリングが組み立てられる様子、そして歴史を感じさせるエピソードを披露する。普段見ることができないベアリングの工場を演劇を通じて楽しみながら理解できる参加型プログラムで、製造工程はユーモラスな動きにも見え、時に笑いを引き起こす。
11月3日、23日には、藤沢工場を一般に開放、工場見学ツアーを開催する予定。
今回演出を手掛ける柴氏は、「工場見学劇の創作にあたり何度もNSK藤沢工場を下見した。工場はまるで一つの町みたいで、その中で働く人たちはそれだけでお芝居の登場人物みたいだった。今回、参加者にはまず素直に、藤沢工場のベアリング製作工程を楽しんでもらいたいと考えている。そして、その中に、自分が感じた、藤沢工場やベアリングの面白さ、奥深さ、そして人間臭さを演劇的に織り交ぜていけたらと思う。どんな演劇になるのか、自分自身、とても楽しみにしている」とコメントしている。
<柴 幸男氏 プロフィール>
劇作家、演出家、ままごと主宰。多摩美術大学専任講師。2010年『わが星』で第54回岸田國士戯曲賞を受賞。東京の劇場から北九州の船上まで、新劇から学芸会まで、場所や形態を問わない演劇活動を行う。近年は小豆島や横浜に長期滞在し地域に根ざした演劇を継続的に上演。2014年より戯曲を無料公開し、多くの上演機会を設けている。
藤沢工場内での大形軸受の製造の様子