キヤノンマーケティングジャパンは、米国3D SYSTEMS社製のマルチジェット3Dプリンタ「ProJet MJP 2500シリーズ」の販売を2016年6月1日より開始する。同品はオフィスでの活用を想定して開発された。伸縮性の高い新素材や透明なクリア素材に対応し、製造プロセスの試作や検証など幅広い用途で活用できるという。
今回、新ラインアップとして「ProJet MJP 2500 / MJP 2500Plus」の2機種を発売する。同シリーズは、マルチジェットシリーズのエントリーモデルで、安価でありながら高速で高精細な造形が可能。上位モデルの「ProJet MJP 2500Plus」は、マルチジェットシリーズの最上位機種「ProJet MJP 5500X」で対応したゴムのように伸縮性の高い新エラストマー材料や透明なクリア材料が使用できるため、組付試作や流体検証、真空注型マスターなど幅広い用途に活用することができる。
同シリーズは、オフィス環境で3Dプリンタを活用するためにゼロから設計され、シンプルな操作でクリーンな後処理が可能になった。新しく採用された「MJP Easy Cleanシステム」は、サポート材を手で除去することなく、スチームと植物オイルの二つのウォーマー装置を使用してサポート材を溶かして除去する。また、環境にやさしい専用ワックスサポート材「VisiJet M2 SUPサポートマテリアル」は廃棄物も少なく後処理が簡単なため、複雑な形状の再現や精密で繊細な造形パーツの損傷リスクを減らすことができる。これにより、設計者・開発者は、多くの検証をスムーズに実施でき、開発期間の短縮や開発コストの削減を実現して迅速に開発を行うことができる。
専用マテリアルについても様々なシリーズを用意している。「VisiJet M2硬質材料シリーズ」は、非常に精細で耐熱性があり靱性を活かしたスナップフィットアセンブリが可能。「VisiJet M2CRL硬質クリア」は、透明なため流体の可視化や内部の設計の検証をすることができる。「VisiJet M2エラストマー材料シリーズ」はゴムのように高い伸縮性をもった靱性の高い素材で、手に触るゴム商品の感触や防水ゴムパッキンや稼働部の蛇腹カバーなどの造形に役立つ。
2機種とも、有効造形エリアは2951×211×142mm。解像度は800×900×790dpiで積層ピッチ32μmで造形できる。本体の外形寸法は幅1120×奥行き740×高さ1070mm、質量は211kg。価格は650万円(税別)から。