日立化成は、アイルランドのオファリー州において、再生可能エネルギー用ハイブリッド蓄電システム向けに鉛蓄電池「LL1500-WS」を納入した。今回、蓄電池の設置が完了し、ハイブリッド蓄電システムとその他の機器から構成される系統安定化システムを電力系統に接続させるショウングラッドエナジー社(本社:アイルランド)による実証試験が3月14日に開始した。
LL1500-WSは、日立化成の従来型鉛蓄電池「LL1500-W」の1.5倍の高率充放電性能を有し、1MWで1時間放電するシステムの場合、従来に比べ蓄電池の容量は12%、設置スペースは約16%、質量は約15%の低減を図った。また同品の期待寿命は17年であり、長期の使用が想定される再生可能エネルギー用途に適しているという。
アイルランドでは、電力供給に占める再生可能エネルギー比率を2020年までに40%に増加させる目標を掲げている。風力、太陽光など再生可能エネルギーによる発電では、風や日照の状況により短周期・長周期の出力変動が生じ、電力供給の不安定化につながる。そこで、電力の安定供給を実現する有望な手段の一つとして、放電・充電を繰り返すことで再生可能エネルギーの出力変動を抑制する蓄電システムが注目されている。 こうした状況下日立化成は、アイルランドで電力系統関連ビジネスを展開しているショウングラッドエナジー社とアイルランドリムリック大学が共同開発した系統安定化システムの中でハイブリッド蓄電システムを構成する鉛蓄電池を納入した。このハイブリッド蓄電システムは、日立化成製の鉛蓄電池LL1500-WS(総容量576kWh)とビーコンパワー社(本社:米国)製のフライホイールを組み合わせたもの。
ハイブリッド蓄電システムに採用された日立化成製鉛蓄電池「LL1500-WS」