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三菱重工工作機械、自動車用エンジンバルブ事業をフジオーゼックスと統合

 三菱重工工作機械は1月28日、フジオーゼックスと自動車用エンジンバルブ事業を統合することで合意した。内部を空洞にした中空バルブの事業を両社の合弁会社に移管し、内部に空洞がない中実バルブについては三菱重工工作機械からの事業譲渡によりフジオーゼックスに一本化し、製品の多様化や規模拡大で事業強化を目指す。

 中空バルブ専門の製造会社「フジホローバルブ」(予定)は、フジオーゼックスが100%出資で2月に設立予定。軸からバルブヘッド(傘)までの内部を空洞にした三菱重工工作機械の傘中空バルブと、軸内部を空洞にしたフジオーゼックスの軸中空バルブの事業をそれぞれ、会社分割により承継する。事業承継後の出資比率は、三菱重工工作機械31.9%、フジオーゼックス68.1%の予定。合弁会社本社は静岡県菊川市で、社長にはフジオーゼックス取締役の鈴木 統氏が就任する。

 合弁会社は、両社がそれぞれの中空バルブについて蓄積した技術やノウハウを発展させ、軸や傘部の多様な中空バルブの製造を担当。また、受注・販売活動をフジオーゼックスが一括して担当する。

 傘中空バルブは、三菱重工業が戦前から航空機用エンジンバルブ製造技術として保有していた独自のノウハウを応用して、バルブ駆動系の軽量化によるレスポンスの向上や燃費性能向上に貢献する高付加価値バルブとして開発し、量産体制の整備と受注拡大に取り組んできた。近年、日米欧の自動車産業界を中心に、地球環境保護と燃費性能向上の観点から、中空バルブの需要が高まっているが、ハイエンド領域の傘中空バルブも含めた多様な中空バルブ製品ラインナップと量産体制の整備が今後求められているという。

 また、中実バルブについては、原材料調達や製造の合理化促進などが課題だったが、エンジンバルブの有力専業メーカーであるフジオーゼックスが事業を引き継ぐことにより、三菱重工工作機械の既存の顧客向けにも高品質バルブの安定供給が可能となる。