日本精工(NSK)は、同社が開発した医療・バイオ業界や電子部品業界の微小な対象物を操作する「マニピュレーションシステム」の高い安全性と耐久性が評価され、北米のUL安全規格に適合させたと発表した。これに伴い、2015年2月から米国での販売を開始し、生命工学研究所に初号機を納入した。今後、米国内の世界最先端の研究機関や大学に加えて、小型電子部品や精密機械業界への拡販を進めていく。
マニピュレーションシステムは、細胞などの微小な試料を操作するツールが装着した三次元(XYZ)テーブルと顕微鏡から構成されており、医療・バイオ、半導体、電子業界などで幅広く使用されている。同社は、精密位置決め駆動技術に最新の画像処理技術を組み合わせることで、微細な対象物の高精度な操作をスキルフリーで可能にしたマニピュレーションシステムを2008年に開発。その後、公益財団法人実験動物中央研究所と協力し、様々な実証実験を行い、2014年には、本マニピュレーションシステムを使って、実験動物の顕微授精に成功した。さらに、小型化や自動化による操作効率の向上などの改良を進め、実験動物中央研究所の研究に活用されている。
今回、同社は、連邦規格に基づいて様々な製品の安全試験・認証を行うことを認められた民間の機関であるNRTL(National Recognized Testing Laboratories米国国家認定試験機関)の規格要求に対応し、Underwriters Laboratoriesが策定したUL安全規格に適合させた。同品は計測、制御および試験所使用電気機器の安全要求事項とインビドロ診断医用機器の特定要求事項を満たしているという。
マニピュレーションシステム