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三菱重工業、米国インディアナ州のターボチャージャー工場が本格量産開始へ

 三菱重工業が米国インディアナ州フランクリン市で立ち上げ準備を進めていたターボチャージャー(過給器)工場で、本格的な量産開始を行う。この工場は、自動車の低燃費化に伴い北米市場で増大が期待されるターボチャージャー需要に対応するもの。これにより、グローバルでの年間1000万台生産体制構築に向け、ターボチャージャー最終組立の拠点体制が整ったという。

 新工場は、北米でエンジンとターボチャージャーの販売を手掛ける子会社Mitsubishi Engine North America, Inc.(本社:シカゴ、以下MENA)の工場として新設したもの。冷熱事業の北米子会社Mitsubishi Heavy Industries Climate Control, Inc.(以下MCCA)のカーエアコン用コンプレッサ生産工場の既存建屋内と今回増築した建屋に、生産ラインを設けるシェアドファクトリー(複数製品生産工場)方式を採用することで、運営効率などのシナジーを追求しやすくした。

 MENAの専有エリアには、最終組立ラインを設置するとともに部品保管・完成品保管用スペースを確保。また、MENAの事務所も設けた。MCCAとの共用スペースでは検査や物流などに関連する作業を行う。この工場では、タイの子会社Mitsubishi Turbocharger Asia Co., Ltd.などで生産した製品のコア部品であるカートリッジに外装部品のハウジングなどを取り付け、最終製品に組み立てる。立ち上げ時は年間生産能力60万台でスタート。将来的には、120万台からそれ以上への順次引き上げを計画している。

 ガソリンエンジン車が多い北米市場では、これまでターボチャージャーに対する需要が低調だったが、近年はCAFE規制などの燃費規制強化を背景に、小型ガソリンエンジン車を中心として、燃費性能改善に寄与するターボチャージャー搭載エンジンへのニーズが高まってきた。このため、北米での現地生産により、品質・コスト面での競争力を高めながら納期短縮を図り、販売拡大につなげる。

 三菱重工業は現在、ターボチャージャーの年間生産能力1000万台体制構築に向け、各拠点で生産増強に向けた投資を行っている。今回の米国工場稼働もその一環で、欧州(オランダ)、日本、中国、タイ、および北米でのフレキシブルな生産体制を整備することにより、今後拡大するターボチャージャー需要へのタイムリーな対応に一層注力する。