日東工器は主として食品製造業界向けに、分解・洗浄・組立が容易にできる迅速流体継手「サニタリーカプラ」を開発、4月から本格販売を開始する。
現在、食品製造業界で一般的に使用されているヘルール継手は、パッキンをヘルール(接続部)に挟み込んでクランプで閉め込む構造。この継手の着脱は非常に手間がかかり、時にパッキンを床に落として再洗浄したり、締め込み過ぎて内径にパッキンがはみ出したりする課題があった。今回の開発品は、接続が差し込む構造で1人での作業が簡単に行える。また、一切の工具を使わずすべての部品を分解でき、部品点数が少なく洗浄も簡単に行える。その後の組み立ても工具なしで短時間に行うことができ、プラグからシール材(Oリング)が脱落することなく衛生的であることが特徴。
食品会社は通常、それぞれの社内規定により製造ラインを生産品目ごと、あるいは半日・毎日ごとに分解・洗浄している。ヘルール継手の場合、その作業が大変なため労働生産性を低下させる要因となっているが、開発品は分解・洗浄・組立作業を短時間に行えるため、食品製造業の大きな課題となってきた作業性の向上が図れる。
なお、開発品はソケットやプラグ本体の接液部はステンレスSUS316L相当の材質で、シール材も食品衛生法に合格している。また、接続部を外した状態での配管内の防塵対策や害虫混入を防止するカプラのキャップの材質には、食品衛生法適合材料の高密度ポリエチレンを採用している。
主なユーザーは、分解・洗浄の工程を要する食品製造、薬品製造業などを対象にしている。