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日本鍛圧機械工業会、MF技術大賞に旭サナック、デンソーなどの3製品を決定

 日本鍛圧機械工業会は、鍛圧塑性加工技術の総合力を顕彰する「MF技術大賞」および「MF技術優秀賞」の受賞製品を決定、大賞は旭サナック、デンソーの「圧造機による自動車エンジン用ハウジング部品加工」など3製品が受賞した。

 同賞は、鍛圧機械を使った鍛圧塑性加工技術の実力を高め、MF(Metal Forming)に不可欠な鍛圧機械、製品加工、金型、システム、素材、組立、研究の7要素を組み合わせた「ものづくり総合力」を顕彰し、トータルでエコな製品製作の成果を発信し、川上から川下までの鍛圧塑性加工技術の発展に寄与することを目指して創設された。鍛圧機械の良さを最終製品の良さで証明するため、鍛圧機械メーカーと加工メーカーなどの連合体を表彰する。今回は2010年、2012年に続いて第3回目の表彰となる。また、今回より応募製品からMF技術大賞に次ぐ、MF技術優秀賞を新設した。

MF技術大賞

圧造機による自動車エンジン用ハウジング部品加工


受賞会社:旭サナック(株)、(株)デンソー
受賞理由:従来、多段圧造機は全工程を一括で成形するため加工負荷が大きく大型の設備が必要であった。今回、工程毎に成形タイミングを変更し負荷の分散化することで、設備の大幅な小型化を実現し、金型交換の段取り時間も短縮した。これらの開発は、後工程に合わせて生産できる同期一貫ラインを可能とし、コストダウンに大きく寄与。

サーボプレスとインデックス装置によるキャリアカバー加工

受賞会社:(株)アマダ、アイシン・エィ・ダブリュ(株)
受賞理由: ワークを回転させながら1カ所づつの加工を採用することで、従来工法では4工程分の金型が必要であったものを1つの金型に集約することに成功し、必要荷重が従来の1/10となりプレス機の大幅な小型化をもたらした。サーボプレスの特長を活かしたインデックス装置と同期させながらの加工は、設備費、段取り時間等を削減。

油圧サーボ制御によるシート加工

受賞会社:川崎油工(株)、川崎重工業(株)航空宇宙カンパニー、川崎重工業(株)システム技術開発センター、川重テクノロジー(株)
受賞理由: 航空機外板等の自由曲面を持つ薄板成形を目的とした成形解析から実成形までを一貫して行うシステム。成形プログラム作成ソフトにより、成形解析結果から最適な動作プログラムを生成し、多軸油圧サーボ+機構誤差補正による高精度NC化で理想的な姿勢制御を行い、自動での実成形を実現。従来、熟練技能を要する製品であったが、量産が可能となった。

MF技術優秀賞


精密成型機によるパイプナットトエフサス加工


受賞会社:アイダエンジニアリング(株)、(株)豊島製作所
受賞理由: 投入スラグ(加工ワーク)の最適化により、焼鈍・ショット・ボンデ処理等の中間処理を従来の工法の半分以下に削減することや、高剛性の精密プレス機の特長を活かすことで、これまで必要とした加工リードタイムを14日から3日に短縮し、ジャストインタイム生産に近づく量産化を実現。

サーボプレスによるエンジンベアリングハウジング加工

受賞会社:アイダエンジニアリング(株)、大豊工業(株)
受賞理由:これまで切削を伴う加工工程であったが、サーボプレス機と金型開発により塑性加工での高精度な成形を実現し、切削工程等の削減によりラインは従来工法の1/2に半減。2段階の下死点モーションの設定することで荒曲げと仕上げ曲げを1モーションで行う。

サーボプレスによるギヤシフト部品鏡面加工

受賞会社:コマツ産機(株)、(有)田村製作所、(株)中部力学
受賞理由:サーボプレスのモーション研究から独自の加工モーションを開発し、固い材料(SCM415等)での全せん断加工を可能とすると共に、金型を工夫する事でせん断面を鏡面のような平滑な面にすることを実現した。

サーボプレスによるロングソケット加工

受賞会社:コマツ産機(株)、京都機械工具(株)
受賞理由:加工が難しい形状の材料をサーボプレス機の特長を活かし、速度コントロールで低速に抑えることで金型寿命の向上と摩擦による加工熱も低減し、製品精度も向上させ、コストダウンも実現した。

4軸複動サーボプレスによるダブルフランジチューブ鍛造

受賞会社:住友重機械工業(株)、(株)ヤマナカゴーキン、(株)ゴーシュー
受賞理由:スライド、上加圧装置、下加圧装置(メイン、サブ)を持つ4軸サーボプレス機の開発による複動成形機構と分割式金型を使用した側方成形機構の組み合わせにより、従来主に総切削加工が行われていた部品の1工程成形を実現し、工程数削減の生産性向上やダイスペースの縮小化に貢献。

サーボ駆動レーザーパンチプレスによる縞鋼板加工

受賞会社:村田機械(株)、トーメックス(株)
受賞理由:これまで人員と時間と専用工具を必要とした平面つぶし加工(ザグリ加工)をサーボ駆動レーザーパンチプレスを使用することで、加工時間を含めた大幅なコスト削減を実現した。また、安定した自動化により不良率のゼロを達成した。