日立製作所は、2012年7月に受注した英国運輸省(DfT:Department for Transport)の都市間高速鉄道計画(IEP:Intercity Express Programme)向けに製造している車両を公開した。公開した車両は2014年中に完成予定で、2015年前半に走行試験のため、英国に向けて発送される予定。
現在、同社では、IEP向けに先行生産車両3編成の製造を笠戸事業所(山口県下松市)で行っている。受注した全122編成の内、今回公開した1編成を含む12編成を笠戸事業所で製造し、残りの110編成については、現在、英国ダーラム州ニュートン・エイクリフで建設を進めている鉄道車両工場での製造を予定している。
今回、納入を予定しているClass 800シリーズは、電化区間だけでなく、非電化区間でも走行することを前提とし、車両の床下にディーゼルエンジン付き発電機を装備している。さらに、ディーゼルエンジン付き発電機は取り外しが可能となっており、将来、電化区間が拡大された際の運用変更を円滑に行うことが可能となる。Class 800シリーズによる旅客鉄道輸送サービスは、Great Western Main Line(GWML)では2017年より、East Coast Main Line(ECML)では2018年より開始される予定。
日立は、高速鉄道以外にも、2014年10月に鉄道運行会社のAbellio社(本社:オランダ)から、標準型近郊車両「AT-200」234両(70編成)の納入ならびに長期保守契約の優先交渉権を獲得しており、現在、正式契約に向けて最終交渉中。今後、世界各国の鉄道計画についても積極的な受注活動を継続し、鉄道システムのグローバル展開を加速していく。
公開したClass800車両