NTNは、軸受内部設計の最適化により、高負荷容量と高速回転性能を実現した「ULTAGE(アルテージ)円筒ころ軸受」を開発した。
同品は、転動体であるころの大径化とクラウニング形状の見直しにより、転がり面の接触状態を最適化することで、高い荷重や大きな軸の傾きが作用しても、ころと内輪・外輪の接触面圧を均一に形成することを可能にした。これにより、従来の円筒ころ軸受と比べ基本動定格荷重が20%向上し、世界最高水準の高負荷容量を実現、軸受定格寿命も80%向上した。
また、ころと内輪・外輪のすべり接触面においても設計を見直し、温度上昇を抑制する最適形状にすることで、従来品と比べ許容回転速度を20%向上し、世界最高水準の高速回転性能を実現した。同時に、軸芯ずれや取付誤差に対しても、従来品比2倍の許容傾き角を実現し、高い取扱い性を確保した。
圧縮機や産業用モータ、減速機をはじめとする一般産業機械の高出力や高効率、コンパクト化などの性能向上に伴い、軸受にはより高い荷重負荷能力や高速回転性能が求められている。また、連結する機械間のわずかな軸芯ずれや部品交換時の取付誤差も許容できる高い取扱い性が求められおり、同品はそれらニーズに応える製品として開発された。軸受外径180mm以下のサイズからシリーズ化し、産業機械市場や補修市場においてグローバルな販売活動を行う。