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島津製作所、医療系の研究機関向けにイメージング質量顕微鏡

 島津製作所は、イメージング質量顕微鏡「iMScope TRIO (アイエムスコープ トリオ)」の販売を開始する。

島津製作所「iMScope TRIO 」 同品は、欧州連合(EU)の有害物質使用規制であるRoHS指令および安全等の規制であるCEマークに対応しており、従来の販売地域に加え、欧州およびロシア地域でも販売を開始する。質量分析イメージ、光学画像、定性分析という従来機の持つ三つの独自の特長をさらに発展させ、国内外のライフサイエンス系の研究機関や製薬企業、共同利用施設等での幅広い用途に向けて市場投入する。

 研究機関においては、正常な組織と疾患のある組織中の分子の分布状況の違いから疾患に特徴的なマーカーを探索できるツールとして、また製薬市場では、薬そのもの、あるいはその代謝産物の分布を見る薬物動態解析や、薬が集積している組織周辺の代謝産物の変動を見る毒性評価、既知のみならず未知の物質の増減を検出することによる薬効評価といった用途に注目されているという。国立がん研究センターとの共同研究では、従来の分析手法では測定できなかった生体組織内の薬剤分布を直接測定する技術を確立するなど、病気の超早期診断や創薬につながる先進的な研究成果が得られている。

 同社は研究機関等との共同研究を進め、がん研究、脳機能解析などの基礎研究や、DDS(Drug Delivery System:薬物送達システム)、メタボロミクス(代謝物解析)、法医学、脂質解析等のアプリケーションをさらに開発し、需要が高まっている臨床診断分野における効果的なツールとして今後年間で20台の販売を目指す。