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川崎重工業、シンガポール向け泥水式シールド掘進機8機を連続受注

 川崎重工業は、シンガポールの超高圧送電線用トンネル建設工事向けシールド掘進機2機とシンガポール地下鉄のトムソンライン建設工事向けシールド掘進機6機の合計8機を五洋建設より連続受注したと発表した。川崎重工業は、シールド掘進機の設計・製作・海上輸送などを担当し、2014年後半から2016年前半にかけて順次納入する予定。

 今回受注した掘進機のうち超高圧送電線用トンネル建設工事に投入される2機は、泥水式シールド掘進機(直径6.90m)で、シンガポール電力(Singapore Power Ltd.)の子会社であるエスピー・パワーアセット(SP Power Assets Ltd.)が2017年中の完成を目指して進めるジュロン・パイオニア間トンネル工事(全長5.3km)に投入される。

 また、シンガポール陸上交通庁(Land Transport Authority: LTA)が進めるトムソンライン建設工事(全長約30km)に投入される6機も泥水式シールド掘進機(直径6.63m)で、同区間内のウッドランド・ノース(Woodland North)駅および隣接トンネル工事(T202工区)、シン・ミン((Sin Ming)駅および隣接トンネル工事(T211工区)の二つの工区に投入され、上下線あわせて全長約6kmを掘削する。これらのトンネル掘削工事は2017年中に完成する予定。

 今回受注した泥水式シールド掘進機は、軟弱土層の掘進に用いられるシールド掘進機の技術と、岩盤や礫層などの掘削に用いられるTBM(Tunnel Boring Machine)の技術を融合した岩盤対応型の掘進機で、複雑な土質を1機の掘進機で掘削する。同機では、硬岩部での急曲線掘削に対応するため油圧式オーバカッター装置と中折れ方式を採用しているほか、最大土被り65mの地中における高水圧に対応するためのシール構造を装備するなど、工区特性に合わせた仕様としている。

 同社は、これまでシンガポール地下鉄のダウンタウンライン建設工事向けにシールド掘進機10機を納入しているほか、2013年には超高圧送電線用トンネル建設工事の別工区(東西線および南北線)向けに5機を受注するなど、今回の受注を含めて、シンガポール向けに35機、日本国内外で約1400機のシールド掘進機・TBMの受注実績を有している。今回の受注は、同社の高い技術力と難易度の高い地質での豊富な実績が高く評価されたものだという。