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JFEテクノリサーチ、耐候性評価センターで塩害用超大型サイクル腐食試験機などを拡充

耐候性評価センターの新試験棟耐候性評価センターの新試験棟 JFEテクノリサーチは、耐候性評価センターに新たな試験棟を建設して、塩害用超大型サイクル試験機や酸性雨試験機、低温可能な塩害サイクル腐食試験機、キセノンウェザーメーター、高温対応ガス腐食試験機を拡充した。特に塩害に関しては日本最大規模の耐候性評価センターとして受託試験サービスを展開する。

 近年の地球環境変化も影響して、各種の材料、部品、製品の長期間にわたる環境劣化を加速して評価する耐候性試験はますます重要性が増大している。最近では、従来の部材、パーツでの評価ではなく、製品そのままの耐候性評価が必要とされており、大型・重量物への対応が可能な試験設備が求められている。大型の太陽電池パネルの塩害試験などはその典型であり、また自動車構成部品などの重量物の試験や、従来より高温での試験などもニーズが増大している。

 同社では2011年に開設した耐候性評価センターにおいて、塩害試験、紫外線劣化試験、ガス腐食試験など多くの環境劣化試験の受託サービスを展開してきたが、今回上記のニーズに対応するために新たな試験棟を建設して、超大型の塩害サイクル腐食試験機や酸性雨試験機、低温可能な塩害サイクル試験機、キセノンウェザーメーター、80℃での試験が可能なガス腐食試験機を導入した。従来からある試験機も含めて、特に塩害に関しては日本最大規模の耐候性評価センターとなっており、以下に示す最近のニーズに対応した耐候性評価受託サービスを提供する。


  1. 塩害試験
     大気環境における塩害腐食をシミュレートした試験であり、塩水噴霧→乾燥→湿潤等を繰り返す複合サイクル腐食試験が最も一般的。今回同社では、最大2×1.5×1.5m、200kg超まで対応可能な超大型サイクル腐食試験機を導入致した。これにより従来では試験できる機関がほとんどなかった、太陽電池のフルパネルや100kgを超える自動車構成部品の塩害試験が可能となった。その他、酸性雨試験機や低温も可能なサイクル腐食試験機も増設し、従来からある塩水噴霧試験、CASS試験等も含めて20台の試験機を完備しており、塩害に関しては日本最大規模の耐候性評価センターとなっている。
  2. ウェザーメーター試験
     太陽光(主に紫外線)による劣化を評価する試験。さらに熱、風雨など屋外の条件を人工的に再現することにより、屋外暴露に比べて数倍から100倍といった促進倍率で試料の耐候性評価を行うことができる。同社では、従来からよく用いられていたカーボンアークウェザーメーター以外に、太陽光の分光分布に最も近いスーパーキセノンウェザーメーターと、太陽光の約20~30倍の紫外線量があり、屋外暴露に比べて100倍程度の促進率を持つメタルハライドウェザーメーターの3種類のウェザーメーターを揃えていたが、今回試験依頼が増加しているスーパーキセノン試験機を増設した。
  3. ガス腐食試験
     近年、大気中に存在する微量ガスによる電子部品、機器の腐食が問題となっており、同社ではppb~ppmオーダーの微量腐食性ガス(SO2、H2S、NO2、Cl2、O3)による腐食を再現・促進した試験を行っている。最近、車載電子部品、LED部品、EVバッテリー、太陽電池モジュールなど高温環境で使用される製品の耐久性評価の必要性が生じており、ガス腐食試験に関しても、従来の40℃より高温の80℃でのガス腐食試験が求められており、今回対応した試験機を導入する。



 同社の耐候性試験センターは、今回の拡充のみならず、さらに低温可能な超大型サイクル腐食試験機の増設、従来より高温の83℃で試験可能なサンシャインウェザーメーターの導入も進めている。

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