パテント・リザルトは、独自に分類した自動車メーカーの企業を対象に、2013年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「自動車メーカー 他社牽制力ランキング2013」をまとめた。この集計により、直近の技術開発において各社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになる。
集計の結果、2013年に最も引用された企業は、トヨタ自動車の9426件、次いで日産自動車の5401件、本田技研工業の3987件となった。
自動車メーカー 他社牽制力ランキング2013 上位10社
1位トヨタ自動車の最も引用された特許は、「電動車両および車両用給電装置(特願2007-277973)」で、後発の特許13件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にはソニーの4件、富士通の2件のほか、NTT、日産自動車、TDK、東芝などとなっている。2013年に引用されたトヨタ自動車の9426件の特許を分野別にみると、ハイブリッド車の制御や燃料電池、DPFなどの排気処理、周辺監視装置などが多くなっている。
2位日産自動車の最も引用された特許は、「充電スタンド情報提供装置(特願2002-62986)」で、後発の特許13件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にはデンソーの4件、三菱電機の2件のほか、富士通テン、東京電力、カルソニックカンセイ、昭和シェル石油などとなっている。2013年に、日産自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車の699件、次いで、本田技研工業の461件となっている。
3位本田技研工業の最も引用された特許は、「車両用クラッチの接続状態判定装置およびこれを用いた変速制御装置(特願2000-355625)」で、後発の特許10件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この10件はいずれもアイシン・エーアイによる出願となっている。2013年に引用された本田技研工業の3987件の公報を分野別にみると、ハイブリッド車両の制御や車体構造などの車両関連技術のほかに、作業ロボットが挙げられ、安川電機、IHI、NASA(米)などによる後発の出願の審査過程で拒絶理由として引用されている。