日本精工(NSK)は、高温環境下で低アウトガス、耐久性に優れる高温用固体潤滑被膜軸受を開発した。市場拡大が見込める太陽電池、LEDなどの世界的な製造拠点である中国、台湾、韓国を中心に2015年に10億円の売上げを目指す
太陽電池、LED、リチウムイオン電池などは、高い品質と歩留まりを得るため、クリーンな環境下で製造されている。特に、高温環境下の成膜・焼成工程では、グリース等の油脂や固体潤滑被膜に含まれる従来のバインダーはアウトガスの発生源となり使用できない。そのため、ハイエンドをのぞく装置では、寿命が短い無潤滑軸受を頻繁に交換しながら使用しており、軸受の長寿命化が大きな課題となっているという。
同社では、高温下で耐久性に優れる独自の固体潤滑被膜を玉に適用することで、従来の無潤滑軸受と同様、低アウトガス、かつ最大8倍の寿命となる高温用固体潤滑被膜軸受を開発した。アウトガスの原因となるバインダーを使用せず、母材との密着性を向上した独自開発の固体潤滑被膜により、400℃までの高温環境下で無潤滑軸受と比較して最大8倍の寿命となる。また無潤滑軸受と同等の低アウトガスを実現した。