左:駆動輪用、右:従動輪用 ジェイテクトは、ピックアップトラックおよび大型SUV向けに、従来より大幅に性能を向上させるとともに、砂漠や極寒地等の過酷な環境下における信頼性を向上させた、第3世代 テーパーローラーハブユニットを開発した。同社では、アセアン、北米を中心に同品の拡販を図る。
ピックアップトラックおよび大型SUVでは、乗用車に比べ車両が重いうえに、より長寿命が要求されるため、定格容量の大きいテーパーローラーベアリングを用いたハブユニットが使用されている。従来は、ハブユニットとハブシャフトが別体(第1世代、第2世代)のタイプが主流だったが、自動車の高性能化、信頼性向上に伴う要求に応えるため、ハブユニットの車両外側列の内輪とハブシャフトを一体化し、かつ同社独自の低トルク技術である「LFT(Low Friction Torque)」を採用した、第3世代テーパーローラーハブユニットを開発し、量産を開始した。
主な特徴は以下のとおり。
- 高強度、高剛性と軽量化を両立
内輪と軸の一体化(第3世代化)により、従来品に対し軸強度20倍を実現すると同時に、車1台当たり600gの軽量化を実現
- 過酷な環境下での性能向上
シール設計の最適化(リップ設計、ゴム材質、リップ部塗布グリース)により従来品に対し2倍以上の耐泥塩水性を実現
- 低フリクション化
シール設計の最適化および当社独自の低トルク技術であるLFTの採用により、従来比よりひきずりトルクを50%削減
- 静穏性向上
軸のフランジ振れ精度の向上によりブレーキ周りの振動を低減