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テルモ、安全性を追求した植込み型薬液注入システム

テルモ「DewX」 テルモの100%出資の子会社であるテルモ・クリニカルサプライは、抗がん剤の持続的投与や中心静脈栄養に用いられる植込み型薬液注入システム「DewX(デュークス)」を全国の医療機関向けに販売する。このシステムには、皮下に植込むポートの前胸部用、前腕・上腕用の2タイプがあり、2014年度に1億円の売上を目指す。

 同品は皮下にポートを植込むことによって、毎回、血管に直接針を刺さずに、薬液を投与できるため、痛みや血管の損傷の軽減が期待できる。このようなメリットから、近年は、がん治療における外来化学療法や在宅での中心静脈栄養の普及により、植込み型のポートの使用機会も増加している。しかし、一方で、植込み時の誤穿刺やカテーテルの閉塞、感染などのトラブルも増加し、より安全なシステムへのニーズも高まってきているという。

 同品は、誤穿刺のリスクを低減するため、超音波ガイド下でも針先が見えやすい超音波対応穿刺針を採用している。また、空気塞栓のリスクを低減するため、空気の引き込みを防止する弁付シースを採用。さらに、血漿タンパク質の吸着を抑制し、それに起因した合併症のリスクを低減するため、血液適合性に優れたXコーティングをポート内面およびカテーテル内外面に採用した。Xコーティングは、血液や血漿タンパクの吸着、変性を抑制し、血液の異物接触反応を抑えることを目的としたポリマーコーティング。テルモでは、すでに心臓手術に使う人工肺、血液回路製品に採用し、実績ある技術だという。