NTN( http://www.ntn.co.jp/ )は、日産自動車が開発したダイレクトアダプティブステアリングに使用される「自動車次世代ステアリング用MCU(メカニカルクラッチユニット)」を開発し、2013年より市場展開を開始した。
ダイレクトアダプティブステアリングは、ドライバーのステアリング操作を電気信号を介してタイヤに伝達する。そのため、ステアリングとタイヤの間に常時機械的に締結する要素がなく、路面の凸凹に影響されず、俊敏かつ正確なステアリング操作が可能になる。また、機能が維持できない故障検出時のため、ハンドルとタイヤを機械的に繋ぐためのバックアップ機構も有している。
今回NTNが開発した「自動車次世代ステアリング用MCU」は、ダイレクトアダプティブステアリングのバックアップ機構の実現に貢献している。電磁クラッチとローラクラッチを組み合わせたコンパクトな構成で、ダイレクトアダプティブステアリング機能時には電磁クラッチに通電されることで、ローラクラッチが解放され、ステアリング操作は電気信号を介してタイヤに伝達される。一方、ダイレクトアダプティブステアリングの故障検出時には、電磁クラッチへの電源が遮断されるため、ローラクラッチが瞬時に締結し、ステアリング操作は機械的にタイヤに伝達される。さらに、高負荷容量設計により、機械的締結時の高い信頼性を有しているという。
適用部位