カネカは、冠動脈カテーテル交換用カテーテル「KUSABI」を開発し、本年7月より販売を開始した。同品は100%出資の子会社であるカネカメディックスを通じて販売する。
冠動脈狭窄部へのガイドワイヤー通過が困難な場合、経皮的冠動脈形成術を実施する際に、ガイドワイヤーの操作性を向上させ、狭窄部を通過させることを目的として、冠動脈貫通用カテーテルを使用する。ガイドワイヤー通過後、PTCAバルーンカテーテルを使用するため、ガイドワイヤーを残し、冠動脈貫通用カテーテルを抜去する必要がある。その際、ガイドワイヤーの挙動により血管末梢を損傷する危険性があるが、その防止を目的として開発した製品が今回開発した製品である。ガイディングカテーテル内でバルーンを拡張してガイドワイヤーを固定し、カテーテル交換を補助する。
ガイドワイヤーを延長してカテーテルを抜去する既存の方法では、ガイドワイヤーが動いたり、抜けてしまう懸念があった。また、PTCAバルーンカテーテルを使用してガイドワイヤーを固定する方法もあるが、デバイスのガイディングカテーテルのサイズが限られていることや、保険適用が受けられないという課題があった。同品はガイドワイヤーを固定する専用のカテーテルとして、国内で保険適用を受けている唯一の製品であり、挿入菅のサイズも市場で多く普及しているサイズから使用でき、有効性と安全性に優れた製品となっている。