双葉電子工業は、モールドマーシャリングシステムの新たなラインアップとして「流速計測システム」の販売を開始した。
モールドマーシャリングシステムは、ブラックボックスとなっていた金型内の樹脂圧力・樹脂温度をパソコンや各種計測器にリアルタイムに出力する射出成形用の計測システム。金型内部の「見える化」によって、成形条件の最適化、不良品の自動選別等の様々な用途にデータを活用することができる。
今回販売するシステムは、射出成形金型において、樹脂が実際に流れてきた際のフローフロント(先端)速度を計測するシステム。すでに活用されている「樹脂圧力」、「樹脂温度」、「金型(キャビティ)表面温度」の計測に続き、「樹脂流速」という新しいパラメータを提案するもの。
樹脂の流動性は温度、粘度、圧力に依存し、MFR(メルトフローレート)と呼ばれる指標等で数値化されているが、実際に金型内を流れる樹脂は、高速応答性のセンサを複数配置しても、樹脂の流れる方向によって流動長が異なってしまうため、速度に換算することが不可能だったという。今回発売する流速計測システムは、1本のセンサで樹脂の速度を瞬時に計測することが可能となり、CAE(流動解析)による解析結果との比較や、金型内のエアまたはガス抜き効果の評価に活用できる。