日立アドバンストデジタルは、太陽光発電パネル単位で故障を検知する「太陽光発電パネル監視システム」を開発、販売を開始した。
同システムは、太陽光発電システムで使用されている個々のパネルの発電情報を収集することで故障を検知し、正確かつ遠隔で故障パネルを特定できる。世の中で主流のストリング(太陽光発電パネルを複数枚並べて直列接続したものの呼称)単位の監視システムでは、ストリング全体の発電量に比べてパネル1枚故障時の発電量低下が軽微であるため、パネル故障検知が困難だった。今回のシステムでは、遠隔監視により不良パネルを特定できるため現地での不良パネル特定作業が不要となる。
また、産業技術総合研究所が開発した電力線通信技術を応用し、電力伝送ケーブルを利用してデータ通信をおこなう監視システムを日本で初めて実用化した。これにより、専用の通信ケーブルが不要となり、ケーブル敷設工事費用を削減できる。この技術はCDMAを応用したノイズに強い通信方式で、発電サイトなどの環境に適したもの。
故障診断ソフトウェアにより、パネル単位に注意表示および警告表示を行うため、パネル交換などのメンテナンス作業を計画的・効率的に運用できる。同社が独自開発した故障診断アルゴリズムにより、環境的な要因(日陰など)を除外する処理を行うため、誤検出無く診断できるという。