JFEスチールは、西日本製鉄所(福山地区)第3製鋼工場において転炉1基を増設し、転炉を活用した最新の溶銑予備処理プロセスを導入する。
溶銑予備処理とは、高炉から出銑された溶銑に含まれる珪(ケイ)素やリンなどの不純物をあらかじめ除去(脱珪・脱リン精錬)するプロセスで、副原料の使用量削減や歩留り向上を目的としている。今回導入する最新のプロセスは、副原料の使用量をさらに大幅に削減し、資源の節約とエネルギーの削減を行う。たとえば、従来のプロセスにおいては、脱珪工程で発生する二酸化珪素がその後の脱リン工程におけるリンの除去効率を低下させるため、それを補うために多量の石灰を添加していたが、新プロセスでは、脱珪工程で発生する二酸化珪素を一度排出することによって、脱リン時の反応効率低下を抑止する。
今回の増設設備は、1回の処理量が330tの転炉と排ガス処理設備。投資額は200億円強で、稼働は2015年1月末を予定している。 なお、今回の設備投資は、経済産業省の平成24年度補正予算における「円高・エネルギー制約対策のための先端設備等投資促進事業」の補助金による助成を受けている。