新日鐵住金は、自動車骨格部品に適用可能な強度1.2 GPa級合金化溶融亜鉛めっき高張力鋼板(以下、1.2 GPaめっきハイテン)が、スズキの新型軽自動車「スペーシア」の主要骨格部品であるフロアサイドメンバーに適用されたと発表した。1.2GPaめっきハイテンが国内自動車メーカーに採用されるのは初となる。
新日鐵住金はこれまで、冷延鋼板では1.2GPa級のハイテン材を製造してきたが、合金化溶融亜鉛めっき鋼板では、溶融めっきプロセスが加わるため鋼材特性の造り込みが冷延鋼板に比べ難しく、強度の上限は980MPa(メガパスカル)となっていた。
採用された1.2GPaめっきハイテンは、強度と成形性を両立させる最適な微細金属組織を、めっきプロセスを考慮した成分設計と製造プロセスの高度化で実現し、防錆性能も含めた自動車骨格部品に適用可能な鋼板。この鋼板により、自動車におけるハイテンの適用範囲が広がり、自動車の衝突安全性の向上と軽量化に貢献するという。