日産自動車、1.2GPa級高成形性超ハイテン材を量産車に採用ー超高張力鋼板の採用を25%に拡大

　日産自動車は、車体の軽量化に向けて、車体部品における超高張力鋼板（超ハイテン材）の採用を2017年以降に発売する新型車で25%（重量ベース）まで拡大する計画を発表した。

　同社は、これまでの超ハイテン材では困難とされていた複雑な形状にも適用可能な1.2GPa級高成形性超ハイテン材を開発し、今年北米で発売されるInfiniti Q50より採用を開始する。1.2GPa級高成形性超ハイテン材を使用するのは自動車メーカーでははじめて。

　同社は今後、この1.2GPa級高成形性超ハイテン材を積極的に採用することにより、超ハイテン材の採用比率を2017年以降25%まで拡大する。さらに、車体の構造合理化をすることにより、15%の車体軽量化を図っていく。

　1.2Gpa級超ハイテン材は、同社が新日鐵住金、神戸製鋼所と共同開発したもので、材料配合の最適化により、高い延性を持つことで、高い成形性を持ちながら強度が高く、軽い鋼板である。これは、従来の超ハイテン材では成形が難しかった複雑な形状の部品にも使用可能であり、生産工程における高精度な型設計、材料に適した溶接プロセスの確立と合わせることで、適用範囲の大幅拡大を実現した。

　また、この1.2GPa級超ハイテン材は、鋼材の一台あたりの使用量を減らしつつ、従来の生産ラインを活用することで、一台あたりのトータルコストを下げることができるという。