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スチールプランテック、最新の環境対応型高効率アーク炉をタイで実証

 スチールプランテック( http://www.steelplantech.co.jp/ )は、NEDOの支援により製鋼工程における最新の環境対応型高効率アーク炉をタイ・チョンブリ市内に設置、実証を開始した。今回完成した設備は、従来の電気炉と比較して約30%の省エネ効果とCO2削減が見込めるとともに、付属するダイオキシン処理設備により日本の大気排出基準を満たし、環境問題への対応も可能となる。

 タイ鉄鋼業の鋼材需要は近年のASEANの活況を反映して年々増加しており、タイでは最大のエネルギー消費産業である。高炉が存在しないタイにおいて、アーク炉製鋼工程は製鉄所で使用するエネルギーの大半を消費している。本技術は、従来のアーク炉に比べ大幅な省エネが期待でき、またダイオキシン生成を抑制する環境対応に適したものである。2009年度の本事業の実施可能性調査では、約30%のエネルギー削減が見込まれることが分かり、タイの省エネルギーおよび環境改善へ大きな奇与が期待される。

従来型アーク炉(左)と環境対応型アーク炉(右)従来型アーク炉(左)と環境対応型アーク炉(右)

 本モデル事業で導入するアーク炉と従来型のアーク炉を比較すると、従来炉では、原料のスクラップはふたを開けて直接炉に投入するために熱が逃げやすく、また、アーク炉内での発生ガスは炉外へそのまま排出され、別途設けたエネルギー回収装置へ導入回収するか、エネルギー回収をしないまま集塵機を通過してガスを大気へ排出していた。環境対応型高効率アーク炉では、構造的に炉本体と予熱槽が一体となった密閉構造であるため熱が逃げにくく、原料を溶解する際に発生する高温ガスをアーク炉本体と一体化された原料予熱槽を通過させて排出することにより、原料である鉄スクラップと排ガスとの熱交換でエネルギーを回収する。その後、下流の処理装置でガスに含まれる有害物質を排ガス内の可燃分を利用し燃焼分解する。