トヨタ自動車は、ハイブリッド車用の使用済みニッケル水素電池を再利用する定置型蓄電システムを全国のトヨタ車両販売店向けに販売することを決定した。トヨタのエネルギー事業会社であるトヨタタービンアンドシステムを通じて4月から行う。
今回の発売にあたっては、定置型蓄電システムに加え、BEMS(Building Energy Management System=ビルエネルギーの管理システム)・ソーラーカーポート・太陽光発電・LED照明・省エネ空調などを組合せ、電力の消費・蓄電・放電を最適にコントロールし、効率化できる総合的なエネルギーマネジメントシステムとして販売する。
従来、電池容量が下がり自動車用途としては使用できなくなったハイブリッド車用のニッケル水素電池は、販売店等で回収した後、解体・還元処理等を行い電池原料として再びハイブリッド車用ニッケル水素電池へとリサイクルしている。しかし、回収した電池を組合せることで自動車用途に比べ重量や体積に制約の少ない定置型蓄電システム用として利用できる物が多く、定置型蓄電システムへの再利用は、こうした状況を鑑みて開発したものである。
ハイブリッド車用の使用済みニッケル水素電池を再利用した定置型蓄電システムについては、昨年2月より、名古屋トヨペットの太田川店などで実証実験を行ってきた。ピークカットなど電力の利用効率を高めることにより、1店舗あたりのエネルギー使用量および電気・ガス料金を、従来型の店舗と比較して半減できることが確認された。また災害時などの停電時においては、電力のバックアップが可能なため、地域の情報収集拠点や避難場所としての活用も可能となる。