超硬工具協会( http://www.jctma.jp )は1月10日、東京・丸の内の銀行倶楽部で「平成25年新年賀詞交歓会」を開催した。
挨拶する田中理事長 冒頭、挨拶に立った田中啓一理事長は「昨年の後半から当協会会員の事業も厳しい局面を迎えた。2013年は新たな気持ちで迎えたい。今年の5月には、京都で世界切削工具会議(WCTC)が開催される。そういったことも含めて当協会にとって大変重要な年になる。話は変わるが、昨年12月に衆院選挙があった。政権が自民党に代わり、株高・円安傾向にある。現在の状況を確保して頂きたい。世界から日本は、なかなか決められない国であると見られている。私が思うに私情が絡んで結果として決められないのではないかと思う。やはり明治の先達の行動などを本で読んでみると、国のことを思って常に行動している。翻って我々民間として考えてみると、過去様々な環境変化に努力して対応してきた。また日本企業の底力である技術革新に対する取組姿勢は素晴らしいと感じている。たとえば、古い技術を一捻りして新しいものとして売り込む技術には目を見張るものがある。しかしながら、日々刻々と時間・技術は世界で進んでいる。我々が古いしがらみや人材不足を嘆いている暇はない。日本の技術を活かして2013年が日本企業にとって素晴らしい年になるように僭越ながら期待している」と述べた。
来賓の挨拶は経済産業省製造産業局産業機械課長の須藤治氏が行い、同協会副理事長・藤井裕幸氏の乾杯の発声により懇親会に移行した。
表彰状を受け取る森氏 賀詞交歓会に先立ち行われた「平成24年度超硬工具協会賞表彰式」では、故・森清氏(富士精工)が業界功労賞で表彰された。このほか、技術功績賞で13社17件、作業・事務・生産技術等の改善賞で5社5件が表彰された。故人に代わって受賞者を代表して挨拶を述べた森誠氏(富士精工社長)は、「私の父がこのような名誉ある賞を頂き、何よりも本人がありがたいと感じていると思う。私の父は大正12年・1923年に生まれ、その年に超硬が開発されたことから常日頃から超硬の申し子と言っていた。また父自身は、動けなくなるまで当協会の副理事長また常任理事を務めさせて頂き、協会活動の中では最も当協会に尽力してきたと私は理解している。父がこの賞を頂いたことの責任を感じて、私自身もこの名誉ある賞を頂けるように協会活動に力を入れていきたいと思っている」と謝辞を述べた。
超硬工具協会賞受賞一覧
業界功労賞
故・森清氏(富士精工)
技術功績賞
「低環境負荷・高効率タングステンリサイクルの開発」アライドマテリアル、アライドタングステン
「新世代エンドミルMEW型の開発」京セラ
「高能率超硬ソリッドドリル コロドリル860-PMの開発」サンドビック
「鋳鉄・焼結合金加工用CBN材種『BN7000』」 住友電工ハードメタル
「高能率加工を実現する『QMミル』の開発」ダイジェット工業
「ステンレス旋削工具『AH600シリーズ』の開発」タンガロイ
「鋼旋削用工具材種『T9100シリーズ』の開発」タンガロイ
「大径刃先交換式ドリルの開発」タンガロイ
「高能率NVドリルの開発」日本超硬
「小型自動旋盤用後挽き工具『BACK DUO』の開発」日本特殊陶業
「『エポックSUSシリーズ』の開発」日立ツール
「フライス用CVDインサート材種GX2140の開発」日立ツール
「工程集約ボーリングホルダ『BHツール』の開発」富士精工
「高強度低Ni超微粒超硬合金TMS05の開発」冨士ダイス
「鋳鉄肩削りフライスカッタVOX400形の開発」三菱マテリアル
「高硬度鋼用コーテッドCBN材種BC8020の開発」三菱マテリアル
「超硬合金加工用ダイヤモンドコートエンドミルの開発」ユニオンツール
作業、事務、生産技術等の改善賞
「超硬合金の切削条件の最適化研究」ノトアロイ
「切削・研削液および潤滑油の排出量削減」ダイジェット工業
「プローブ測定活用による機械停止時間の低減」富士精工
「超硬合金研削の高能率化」冨士ダイス
「人員配置の変化に対応する安全教育体制の構築」三菱マテリアル