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神戸製鋼、JX日鉱に電気・電子部品用銅合金のライセンス供与

 神戸製鋼所( http://www.kobelco.co.jp )は国内の大手伸銅メーカーであるJX日鉱日石金属に、電気・電子部品用銅合金「SuperKFC:スーパーKFC」の製造販売に関するライセンスを供与することを決定し、このほど同社とライセンス供与契約を締結したと発表した。

 同品のライセンス供与は2009年4月のウィーランド社(独)向けに続き2社目となる。今回のライセンス供与契約は、欧米およびアジアで複数のサプライヤーがあることがユーザーの合金採用の重要な条件の一つになってきており、「調達のマルチソース化」のユーザーニーズに対応するもの。

 「SuperKFC」は、高導電率で高強度であることから、主にIC向け半導体リードフレーム用の新合金として、次世代の世界標準の地位を確立すべく、神戸製鋼所が2006年に開発した製品。現在では、高導電率で高強度であるという特徴から、半導体リードフレーム用途だけでなく、端子コネクタ用、ばね材料など電気・電子部品用途での幅広い適用が見込まれている。

 同品は、神戸製鋼所が1970年代に開発した高導電率銅合金「KFC」をベースに開発した合金。「KFC」は、現在ディスクリート向け分野で業界トップクラスの地位を確立しており、アジア地域では約25%(同社推定)のトップシェアを獲得している。「SuperKFC」は、独自の合金設計により、添加元素の鉄およびリンを微量の「KFC」のオーダーに抑えながら高強度化を達成しているため、リードフレーム製造時のエッチングやめっき工程における前処理や洗浄などが容易になること、また、リードフレームの不良率低減に寄与できる。この結果、大幅なコストダウンに加え、製品の信頼性が向上できる。
 
 また、低ピンICやディスクリート向けといった比較的組立加工のし易い分野においては、ボンディング工程を適切な雰囲気下にすることで、リードフレームにめっきを施さなくても直接に金や銅のワイヤーがボンディングできる。安定したボンディング性を確保するために施される銀などのめっきそのものが省略できるため、さらなるコストダウンが可能となる。

プラスチックパッケージの代表的な組立工程プラスチックパッケージの代表的な組立工程