昭和タイタニウムは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトにおいて、紫外光応答型光触媒材料として最高レベルの活性を持つ酸化チタンの開発に成功したと発表した。2013年内の量産化をめざし、現在、パイロット設備で量産試験を行っています。
光触媒材料としての酸化チタンは、粒子が微細であるほど触媒活性が向上するが、一般に、微細な酸化チタンは結晶に欠陥が生じやすく、光触媒としては光の利用効率が低下し、触媒活性が下がる点が問題となっていた。同社では、セラミックコンデンサー向けの超微粒子酸化チタンの製造技術である気相法を応用することにより、微細かつ欠陥が少ない十面体酸化チタンを開発した。
光触媒は、光エネルギーにより特定の化学反応を加速する物質。すでに実用化されている光触媒である酸化チタンは、紫外光により強い酸化還元反応と超親水性を示す。強い酸化還元反応により有機物の汚れが分解されることや超親水性により水が膜状に広がることから、窓ガラスの曇り止め、外壁防汚のコート剤などの自然エネルギーを利用した環境浄化技術として、より広範な応用が期待されている。
開発に成功した十面体酸化チタンの電子顕微鏡写真