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産総研、イオン液体とゲル空気極を用いたリチウム-空気電池を開発

 産業技術総合研究所は、イオン液体の電解液とカーボンナノチューブ(CNT)からなるゲル空気極を用いて、酸素雰囲気中だけではなく、空気中でも作動可能なリチウム-空気電池を開発した。

 これまでのリチウム-空気電池には電解液として有機電解液が用いられているため、発火、蒸発、分解しやすいなどの問題があった。今回、電解液としてイオン液体、空気極としてゲルを用いる設計を採用し、従来よりも、安全で、安定した動作をするリチウム-空気電池を作製した。今回開発したリチウム-空気電池により、初めて空気中での可逆的な大容量(10000 mAh/g)充放電を実現した。

 今後は、撥水性ゲル空気極の性能向上、電池構成の最適化などを行い、より優れた性能のリチウム-空気電池の開発を目指す。

リチウム-空気電池に使われる従来の空気極と今回開発したゲル空気極の模式図(左) ゲル空気極内の電子伝導パス、イオン伝導パス、空気拡散パスの模式図(右) 右図の糸状のものはカーボンナノチューブ。右図上部はイオン液体のイオン(紫)と陽イオン(緑)。リチウム-空気電池に使われる従来の空気極と今回開発したゲル空気極の模式図(左) ゲル空気極内の電子伝導パス、イオン伝導パス、空気拡散パスの模式図(右) 右図の糸状のものはカーボンナノチューブ。右図上部はイオン液体のイオン(紫)と陽イオン(緑)。