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経産省、医療現場と中小製造業などをマッチングするシンポジウムを開催

 経済産業省は9月19日、東京・有楽町のよみうりホールで「医工連携推進シンポジウム」を開催した。このシンポジウムは、医療従事者から医療現場での課題・ニーズについて発表を行い、その課題やニーズに対して優れたものづくりを行っている中小企業等の技術を活用することで医療現場の課題解決を目指すもの。

 当日は、「市場化に向けた実現性が高い案件(5件)」、「ニーズ重視の案件(5件)」、「看護・リハ・在宅分野で重要な案件(5件)」の計15件において、医療現場で抱える問題などを含めてプレゼンテーションを行い、求める企業の種類や医療機器に関して現在必要としている技術要素などについて解説した。また会場外では、今回発表があったテーマに加えて18テーマのポスター展示も行われた。

 千葉大学の佐粧孝久氏は「bFGF徐放絹糸による半月板修復システムの開発」と題したプレゼンテーションで、半月板の治癒を促進するような生物学的活性物質(bFGF:basic fibroblast growth factor etc.)を含有またはコーティングした縫合糸の作成を企業に求めた。狭い視野で行われる半月板縫合において簡単な手技で縫合が施行できる縫合器具の開発につなげるという。

 また、ポスター展示では岡山大学の松川昭博氏が「感染防御機能を有した骨プレート・人工骨の開発」と題したテーマを掲示。強いチタン結合性と優れた酸素ガスバリア性を有する多糖誘導体リン酸化プルランを用いて、国際競争力を有した感染防御型骨プレート・人工骨の開発について問題点などを提示した。求める技術要素として、有機物の金属表面への薄膜コーティング技術、ISO13485を有しており抗菌薬/リン酸化プルラン複合体をQMS対応でコーティングする設備と技術などを挙げた。

 今回プレゼンとポスター展示が行われた33件について、共同開発に関心のある企業等、共同開発のサポートに関心のある支援機関は、エントリーシートに必要事項を記入して大阪商工会議所と三菱総合研究所がマッチングを進めていく。また同省では、医療従事者から提案がありながら、今回発表のなかった全課題・ニーズについても12月に専用ホームページ「医療現場の課題・ニーズデータベース(仮称)」を立ち上げて公開する予定。こちらは提案者に対して直接連絡を取ることでマッチングの機会を増やしていく考え。

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