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JFEスチール、耐酸化性および耐食性に優れたホットプレス用酸化防止被覆鋼板

JFEスチール「JAG」の加工例JFEスチール「JAG」の加工例 JFEスチール( http://www.jfe-steel.co.jp )は、自動車用構造骨格部品の軽量化ニーズに対応して、耐酸化性および耐食性に優れたホットプレス用酸化防止被覆鋼板「JAGTM(JFE Advanced Guard)」を開発、商品化した。同品により、同社はホットプレス用鋼板の分野にも参入する。

 自動車の軽量化による燃費向上および安全性能の向上を目的として、自動車用高張力鋼板(ハイテン)の分野においてはさらなる高強度化が進んでいる。そのため、従来の冷間加工用ハイテンに加え、高温加熱した鋼板を熱間でプレス加工し同時に焼入れ(急冷)を行うことで、加工性に優れかつ1500MPa以上の強度が得られるホットプレス技術の適用が広がっている。

 しかし、ホットプレス用鋼板をそのまま使用すると多量のスケール(錆)が発生することから、成形後にスケール除去のためショットブラスト等の工程を追加する必要があった。一方、スケールを防止する目的で表面処理を施しても、ホットプレス時にめっき表面が酸化され、通常の表面処理鋼板と同等の耐食性が得られないという課題があったという。

 今回、同社が開発、同品は、耐酸化性および優れた耐食性を兼ね備えている。ホットプレス後の脱スケール工程が省略できるだけでなく、ホットプレス時の高温加熱保持が不要で、かつ通電加熱等の急速加熱にも適用できる特長を有しており、ホットプレスの飛躍的な生産性向上が可能となる。すでに複数の顧客で実車への採用に向けて検討が行われているという。
開発材と従来材のホットプレス時加熱パターンの模式図開発材と従来材のホットプレス時加熱パターンの模式図