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島津製作所、軟素材に特化したマイクロフォーカスX線CTシステム

 島津製作所( http://www.shimadzu.co.jp )は、樹脂や薬品、骨などの軟素材を高拡大かつ鮮明な画像で3次元観察できる、マイクロフォーカスX線CTシステム「inspeXio SMX-100CT」の販売を開始する。

 マイクロフォーカスX線CTシステムは、微小焦点のX線発生装置とX線検出器の間でサンプルを回転させ、観察したデータを元にサンプル内部の3次元構造を再構成する装置。部品の内部欠陥の観察や、3次元的な繊維配向、形状の計測等に用いられている。

 同品は、従来シリーズから、3次元位置決め機能やキャリブレーション機能、自動撮影条件設定機能といった機能を継承しつつ、樹脂をはじめとした軟素材向けに特化した製品。ヒトの歯やマウスの骨、炭素繊維強化プラスチックなど、X線の透過しやすい軟素材を「誰でも」「簡単に」「美しい」CT画像で捉えることができる。

 従来、CT画像でのスムージング処理では、3次元画像の縦方向にぼける弱点があったが、新たな画像処理技術により、ノイズを減らしながら、画像の劣化を抑えることが可能になり、繊維などの3次元的な構造の観察時により鮮明な画像を得ることができるようになった。

 一般に透視画像による位置決めは、物が重なり、奥行き方向の位置関係がわからないため、非常に難しいという問題があった。同品は低倍率であらかじめ試し撮り撮影したCT画像を3面図表示し、その画像上にCTステージの移動に合わせてCTスキャン領域をオーバーレイ表示するため、3次元的な位置決めが容易に可能になり、サンプル内部のどの部分をCTスキャンするかをリアルタイムで確認することができる。

 また、X線発生装置の周囲に衝突検知センサーを搭載しており、サンプルの衝突による損傷を未然に防ぐ。さらに、スライド扉を閉める際、指はさみこみ事故がおきないように、指はさみこみ防止機構を装備するなど、安全にも配慮している。

島津製作所「inspeXio SMX-100CT」