産業技術総合研究所( http://www.aist.go.jp )は、印刷技術と射出成形だけを用いるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスの製造技術を開発した。これは、産総研の微細成形技術とMEMS設計評価技術を融合することにより実現したものである。また、デザインテックの信号処理技術と組み合わせて、照明デバイスを試作した。
今回開発した技術では、真空プロセスを使わず大面積デバイスの作製が可能な印刷技術と、設備投資が少なく製造コストも低い射出成形技術による、MEMSデバイス製造を可能とした。これまで半導体製造工程を必要としたMEMSデバイスが、少ない設備投資で、しかも低コストで製造できる。このため、従来は製造コストの高さや生産数量が少ないなどの問題でMEMSを採用できなかった分野へも、MEMSデバイスが適用できるようになる。たとえば、MEMSミラーによる動的可変配光とLED照明を組み合わせることにより、照明産業などで新たな応用が期待できる。
今回開発したMEMSデバイス製造技術をさまざまな用途で使用するために、多岐にわたる産業分野の企業との連携を行い、そこから新事業の創出を図る。
印刷工程と射出成形によるMEMS製造工程