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日本車輌製造、由利高原鉄道に「YR-3000形気動車」1両納入

YR-3000形気動車 日本車輌製造は、秋田県の由利高原鉄道より「YR-3000形気動車」3両を受注し、平成23年度分の1両が豊川製作所にて完成し納入したと発表した。

 由利高原鉄道は昭和60年に旧国鉄矢島線を継承した第三セクター鉄道で、秋田県のJR羽後本荘駅を起点に終点の矢島まで全長23kmを約40分で結んでいる。車両からは路線名称である「鳥海山ろく線」の由来となった鳥海山を望む雄大な風景も楽しめるという。

 車両の愛称は「おばこ号」で、会社発足時に公募で付けられた。「おばこ」とは秋田美人を表し、車体のモチーフになっている。乗客サービス向上として昼間の時間帯には「おばこ」にふさわしい女性アテンダントが乗務している。さらに期間限定でアニメキャラクターを車両全面に配した車両を走らせたりと、観光誘致と集客宣伝を積極的に進めている。

 YR-3000形の一番の特徴は、外観であり今後製作する2両も含め基本デザインパターンは同じだが、車両毎に緑、赤、青と基調となる色を変えることで特色と個性を出す。これにより現在運用中のイベント車両にも引けを取らないほど見て楽しい車両になるとしている。

 車体サイズ、客室設備、走り装置は同社製の松浦鉄道に納入したMR600形をベースにして、オプションとしてトイレ設備を追加、観光列車として使えるよう着脱式イベントテーブル、電源の追加、バリアフリー設備の見直し、寒冷地対策として、ヒータ設備の追加、前灯の追加などを行った。この車両により第三セクター向け気動車のバリエーションを増やすことができたという。