神戸製鋼所( http://www.kobelco.co.jp )とダイヘンは、亜鉛めっき鋼板用溶接プロセス「J-Solution Zn」を開発、 プロセス用の材料と機器の販売を開始する。
自動車分野では、亜鉛めっき鋼板での溶接性の向上に対するニーズは高く、特に溶接時に発生するピンホールやブローホール、スパッタの発生を抑えることが長年の課題であったという。亜鉛めっき鋼板の溶接では、ピットやブローホールなどの気孔欠陥や、スパッタを同時に抑制することは非常に難しく、ユーザーでは溶接能率を落とした溶接施工を行い、発生したピットを手直しするなど、生産性の低下、コストアップや作業環境悪化の要因となっていた。
これらの課題を溶接材料メーカーと溶接電源メーカーが単独で取り組んで解決するには困難と考え両社は2010年から共同で開発を進めてきた。
開発の基礎研究段階においては、大阪大学 接合科学研究所も参画、亜鉛めっき鋼板での溶接の現象を極限まで可視化するなど徹底した解析を行った。その解析結果に基づき、神戸製鋼所の溶接材料設計技術、ダイヘンの波形制御技術とシールドガスの組成の最適な組み合わせにより、ピンホールやブローホールの気孔欠陥の極小化とスパッタの抑制を同時に図ることができた。
開発したプロセスは、最大効果として「ピンホールによる手直しゼロ」、「スパッタ発生量60%減」を発揮することができ、ユーザーの品質、生産性の向上、コスト低減効果といった競争力強化することができる新たな溶接プロセス技術として、日本および世界へ販売を予定している。