帝人、熱可塑性樹脂を使用したCFRPを1分以内に生産するパイロットプラントを設置

　帝人（ http://www.teijin.co.jp ）は、熱可塑性樹脂を使用した炭素繊維強化プラスチック（CFRP）によるコンポジット製品の事業化を加速するため、「炭素繊維からコンポジット製品の成形加工までを1分以内で連続一貫生産するパイロットプラント」を松山事業所内に設置する。

　これにより、熱可塑性CFRPによるコンポジット製品の試作から性能評価までをより迅速に実施することが可能となり、さらに、形状が複雑な成形品や大型コンポジット製品の試作も容易になるという。

　同社では、すでに熱可塑性CFRPによるコンポジット製品を1分以内で成形する量産技術を確立している。また、コンポジット製品の量産成形技術に加え、独自のCFRP接合技術を用いることで、極限まで車体骨格を軽量化したオール熱可塑性CFRPのコンセプトカーを製作しており、これにより技術の実用性を訴求することでマーケット開拓を推進してきた。

　同社が開発した技術は、自動車業界が求める理想的なタクトタイム（工程作業時間）で、「炭素繊維からコンポジット製品の成形加工までを連続一貫生産できる」ことから、コンポジット製品の量産車への採用を狙うもの。

　また、自動車用途に限らず、軽量化が求められる一般産業用途に向けても、幅広く展開することも視野に入れている。熱可塑性樹脂を用いることから、リサイクル性に優れている。