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豊田合成など、低電圧で駆動する高分子アクチュエーターの開発に成功

 NEDOの「ナノテク・先端部材実用化研究開発」の一環として、新規高分子材料のスライドリング・マテリアル(SRM)樹脂を用いたアクチュエーターの開発に取り組んでいる、豊田合成とアドバンスト・ソフトマテリアルズ(ASM)は、低電圧で駆動する誘電アクチュエーターを開発、この誘電アクチュエーターを組み込んだ義手(プロトタイプ)の駆動に成功した。

 開発した誘電アクチュエーターは、SRM樹脂をフィルム状に形成し、直径12mm、長さ60mmのロール状に巻き取った円筒形で、電圧を印加することで駆動する。ASMが開発したSRM樹脂と豊田合成の誘電アクチュエーター技術を組み合わせることで従来の直動型モーターよりも軽量で静粛性が高く、高エネルギー効率の誘電アクチュエーターを実現した。

 2012年度末までに、材料、構造、製造プロセスの最適化を行い、誘電アクチュエーターの特性が生かせる義手等の福祉・健康機器向け、製造用ロボット向け、サービス分野向けなどの幅広い分野で使われる部材となるよう、出力10N/変位5mmの実現を目指す。
スライドリング・マテリアル樹脂を用いた誘電アクチュエータースライドリング・マテリアル樹脂を用いた誘電アクチュエーター
※SRM: 2000年に東京大学伊藤耕三教授の発明した、架橋点が自由に動く新規高分子材料。柔軟性や伸縮性に優 れ、へたりがほとんどない革新的なエラストマー材料。日米欧中で特許成立済み。