「マツダ CX-5」SKYACTIV-Body マツダ( http://www.mazda.co.jp )は住友金属工業とアイシン高丘と共同で、世界最高の強度をもつ1800MPa級高張力鋼板を用いた自動車用部材の開発に成功した。開発したのは、フロントおよびリアバンパーの内側に設置し衝突時に車体が受けるダメージを低減させるバンパービームで、従来の部材に比べると強度は約20%高く、重量は約4.8kgの軽量化を達成している。マツダでは、このバンパービームを取り入れた新世代の軽量高剛性ボディ「SKYACTIV-BODY(スカイアクティブ ボディ)」を、2012年初頭から販売開始する新型クロスオーバーSUV「マツダ CX-5」に採用する。
高張力鋼板を自動車の部材に用いると、同じ強度をより薄肉で確保できるため、車体を大幅に軽量化することができる。車体の最前端と最後端に設置されるバンパービームは、重量が走行時の振動やハンドリング性能に大きく影響することから軽量化が重要な部材だが、衝突安全性を確保するための高い強度も求められており、より高強度な鋼板の適用が期待されていた。
一方で、強度が増すと衝突時のエネルギーを吸収する柔軟性は減少する。そこでマツダでは、衝突時に部材がどのように変形するのか検証を重ね、より効率的にエネルギーを吸収するバンパービームの形状を新たに開発した。また、部材のもつ強度を「CX-5」搭載時にも最大限に引き出すために、双葉工業と共同で溶接条件の最適化を行い、安定した製造技術を確立した。