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日東精工、特殊な複合表面処理開発によりセルフタッピング性と防錆性を備えたオーステナイト系ステンレス鋼製ねじ

日東精工「エルライファ」 日東精工( http://www.nittoseiko.co.jp )は、鋼板に対する優れたセルフタッピング(締付けと同時にめねじ成形を行うこと)性能と、優れた防錆能力を備えたオーステナイト系ステンレス鋼製タッピンねじ「エルライファ」を開発した。

 従来、赤錆対策としてよく用いられていたオーステナイト系ステンレス鋼製のねじは、防錆性能は高いが熱処理によりねじを硬くできないため、めねじ成形されていない下穴にねじ込み、セルフタッピングを行うことができなかった。そのため、締結相手材に「タップ加工」を行って小ねじを使用せざるを得なかった。ところが、作業効率やコストを追求すると、この「タップ加工」を無くす必要性が生じてくるという。

 同社では、新開発の特殊な複合表面処理を開発したことにより、セルフタッピング性能と防錆能力を安定的に両立させ、組立工数を削減するオーステナイト系ステンレス鋼製ねじを開発した。SECC(電気亜鉛めっき)鋼板のバーリング穴に対してもねじ山がつぶれることなく、良好なセルフタッピング性能を示すという。あわせて、高い防錆能力を確保した。めっきの耐食性試験方法を規定したJIS H 8502による塩水噴霧試験では、1500時間でも赤錆(さび)の発生がなかった。これは、セルフタッピング可能なマルテンサイト系ステンレス鋼製ねじの耐食性を大きく上回り、屋外環境に設置する各種製品の長寿命化に貢献する。