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三菱重、リチウムイオン二次電池を搭載した国内初のコンテナ型大容量蓄電システム

三菱重工業「リチウムイオン二次電池を搭載した 国内初のコンテナ型大容量蓄電システム」 三菱重工業( http://www.mhi.co.jp )は、リチウムイオン二次電池を搭載した国内初のコンテナ型大容量蓄電システム(Energy Storage System:ESS)を開発した。最大出力は1,000kWで、移動が容易なことから非常用など幅広い用途に対応できるのが特長。実証機を長崎造船所(長崎市)内に設置し、商品化に向けた電力安定化実証試験を7月初旬に開始する。

 このコンテナ型「メガワット級大型蓄電システム」は、同社のリチウムイオン二次電池を2,000個以上収めた40フィートコンテナ(長さ約12m)と、電力の貯蔵および取り出しを行うために直流/交流変換機能を果たすパワーコンディショナーを搭載した20フィートコンテナで構成。それぞれトレーラーで目的地まで運べる。蓄電容量は408kWh。

 同設備は、一般家庭100世帯が3~8時間程度使える電力を貯蔵することができる。また、コンテナを増設することにより出力を数万kWまで拡張することも可能。

 実証機はこのほど設置を完了。工場内の電力負荷平準化試験に向けた調整に入っている。試験は、風力発電や太陽光発電など変動の激しい発電量を平準化する短周期調整、数時間レベルの電力変動を平準化する中・長周期調整、送配電線の敷設が困難な地域で風力や太陽光による電力を蓄えて安定供給するマイクログリッド対応などを想定して行う。

 大型蓄電システムの研究・開発は、風力や太陽光など発電量が気象条件により変動する再生可能エネルギーを利用する割合が大きい国や地域を中心に進んでおり、電力密度が高いリチウムイオン二次電池を使ったシステムは、期待の技術として米国や欧州で実証も盛んに行われている。特に可動式のコンテナ型ESSは、電力安定化用や非常用のほかに、屋外イベントや工事現場の電源、電気自動車の移動型充電源など、幅広い用途に対応できる強みがある。

 同社はエネルギー・環境関連事業を、21世紀の重点分野と位置づけており、リチウムイオン二次電池を搭載したコンテナ型ESSを幅広い用途に積極的に提案していく。