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三菱重、航空機部品や金型などの自由曲面加工に対応した門形5面加工機

「MVR-5X」外観 三菱重工業( http://www.mhi.co.jp )は、大型工作機械の主力である門形5面加工機プラノマシセンMVRシリーズの新製品として、航空機部品や金型などの自由曲面加工に対応した「MVR-5X」を開発した。

 着脱可能な2軸アタッチメントの採用により、通常の3軸加工もしくは同時5軸制御加工のいずれかが選べ、幅広い用途に対応できる。3月17日(木)、18日(金)の両日に同社工作機械事業部(滋賀県栗東市)で開催する「三菱大形機内覧会」で披露し、本格販売を開始する。

 同品は、同社が2003年に市場投入し、順次ラインアップを拡充してきたMVRシリーズの最新機種。既存機種が備える主軸(スピンドル)に、主軸傾斜(B軸)と主軸頭旋回(C軸)の2軸を持つ着脱式アタッチメントを採用することにより、通常のX、Y、Z軸と合わせて同時5軸制御が可能となり、任意の点に任意の角度で工具を当てる加工(任意角加工)や自由曲面加工と同時に、標準の主軸加工もできる。

 2軸アタッチメントは、最高主軸回転数1万5,000回転/分、主軸最大出力22kW(負荷時間率25%ED)で、B軸傾斜角は±92度、C軸旋回角は±200度となっている。広い加工角度を確保しながら、大きさはコンパクトに抑えることで使いやすい構造を実現した。

 アタッチメント、工具はそれぞれ自動交換装置により迅速な交換作業ができ、生産性を高めることができる。また、スケールフィードバック機能を搭載しており、高い位置決め精度を実現した。

 5軸加工機に対するニーズは、航空機製造業界などを中心に高まってきているが、実際に5軸加工を主体とするユーザーはまだ限られている。一方で、通常部品の加工とともに5軸制御が求められる高付加価値の部品加工を増やしていきたいユーザーや、同時5軸加工は必要ないが任意角加工を求めるユーザーは増加している。

 今回の開発品投入により、従来の5面加工から同時5軸加工・任意角加工までの汎用的な使用を求める需要を掘り起こし、顧客拡大に弾みをつけていく。