カネカ( http://www.kaneka.co.jp )は、有機EL照明デバイスを世界で初めて白(温暖色)・赤・橙・青・緑の5色をラインアップ、国内で本年3月22日より、欧州では4月中旬より販売を開始する。
同社では有機EL照明に、(1)薄型化できデザイン性に富む(2)温暖色のやわらかい色が得られる(3)そのままで面光源であり、拡散板などの光学部材が不要(4)エネルギー効率が高く消費電力を抑える省エネ光源である(5)水銀を使用しないため環境に優しい、と五つの特徴を上げている。
これらの特長を生かし、レストラン、ホテルなどの店舗照明、高級住宅用のデザイン照明や有機ELを組み込んで照明機能を付加した家具や建材など、価値が評価される高級品分野をターゲットに照明器具、建材、住宅設備メーカーなどへデバイスとしての販売を目指す。特に、白熱灯のようなやわらかい色調を好む欧州は有望市場と認識しており、デザイン照明市場を中心に販路開拓を行い、グローバル展開も加速させる。
照明用光源デバイスの世界市場は、2009年の約2兆8千億円から2020年には約5兆円に達すると予測され、2020年には光源の約20%を有機ELが占める地域も出ると予測されているという。
同社では、当面は高級品市場を中心に事業を展開しつつ、性能向上とコストダウンを図り、一般の住宅・オフイス照明市場や自動車内装照明などの市場に事業を拡大していく。また、国内、欧州に続いて北米、中国を重点地域に加え、世界市場で有機EL照明デバイス事業の本格展開を加速する。売上高として5年後に約200億円、10年後の2020年には約1,000億円を目指す。