テルモ( http://www.terumo.co.jp )は、「DuraHeart左心補助人工心臓システム」の販売を4月1日より開始すると発表した。
左心補助人工心臓は、心筋梗塞や心筋症などにより心臓のポンプ機能が弱くなった重症心不全の患者が心臓移植を待つ間、心臓の左心室の働きを補助するもの。
同品は、ポンプの内部で血液を押し出す羽根車を、磁気で浮かせて回す独自の磁気浮上方式を採用、血栓や血液損傷の原因となりやすい機械的な軸受けを排除した。
また従来、日本では補助人工心臓をつけている期間、入院が必要だったが、同品はポンプが体内埋込み型であることと、ポンプ機能を制御するコントローラーを肩から提げられるほど小型化することにより、患者の在宅での療養を目指した。
同品は16年の開発期間を経て、2010年12月、厚生労働省より製造販売承認を受け、このたび、日本での発売に至った。日本に先駆け、欧州では2007年に販売を開始し、米国でも2008年7月より臨床試験を開始している。
同品は京都大学工学部 赤松映明名誉教授とNTNが共同で考案した磁気浮上型遠心ポンプの技術を導入し、共同開発したもの。1994年より開発に取り組み、4月から日本での販売を開始する。