三菱重工業( http://www.mhi.co.jp )は、最大外径600mmまでの幅広いサイズの歯車を高精度に加工できる汎用型歯車研削盤「ZE40A」を開発した。
同品は9軸NC(数値制御)の全自動機であり、多様なワークの高精度加工、段取り替えを容易にして小ロット生産に対応、非熟練者にも容易な操作・保守性、省スペース化を狙いに開発。
砥石軸と回転テーブルにビルトインモーターによる直接駆動方式を採用し、減速機の振動がない滑らかな回転を実現した。また、砥石を成形・目直しするドレス装置は、NCにより圧力角調整を自動化。設置面積は幅3,750×奥行4,000mmとコンパクトで、クーラント装置の小型化や油・空圧機器類の配置見直しにより、1サイズ下の従来機「ZE15/24A」と比べても15%小さくなった。
加工可能なワーク外径は、高能率加工では400mmまでだが、テーブル周りのスペースを大きく確保してあるため、加工条件を下げることで600mmまで対応。歯車の歯の大きさを表す値であるモジュールは0.5から8まで加工できる。成形研削でも創成研削でもNC入力することで、機上にて任意の歯形に成形できる。また、ヘリカルギヤ(はす歯歯車)の加工では、歯当たりを中央部に集中させるための中高加工(クラウニング)時に発生するバイアスも修正できる。
さらに、追い込み加工を精度良く行ない、初加工品からの精度出しを容易にするソフトを搭載するほか、砥石とドレッサー間、砥石とワーク間の歯合わせ作業も自動化。加えて、テーブルへの接近性を良くすることで、ワークや砥石、治具の交換作業、段取り替えが容易になった。カラーグラフィックに大型画面を採用することで、操作性が向上。機械状態表示画面では、異常の内容と対策を知らせるアラーム表示により初期診断が可能になり、メンテナンスが簡単になった。