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三菱重、インドで超臨界圧ボイラー、蒸気タービン・発電機の工場が本格稼働

 三菱重工業( http://www.mhi.co.jp )が、インドのラーセン・アンド・トウブロ社と共同出資して設立した、超臨界圧石炭焚きボイラーと超臨界圧蒸気タービン・発電機を手掛ける2つの合弁会社の工場が本格稼働を開始した。経済成長に伴い急拡大を続けるインドの電力需要に積極対応するもので、高効率の石炭焚き火力発電設備を生産・供給していく。

 この2工場はともに、インドの北西部、グジャラート州・ハジラ地区の工業団地内にあり、L&Tの工場に隣接している。ボイラー工場は、L&T-MHI Boilers Private Limited(本社ムンバイ:L&T-MHIボイラー)が運営するもので、約28万m2の敷地に5万4,000m2の建屋を持ち、最新鋭装置によりボイラー耐圧部の溶接および組み立てを開始している。同じ敷地内に1万m2の広さを持つボイラー燃料の石炭を粉砕するミルの工場もすでに完成、機器の組み立てを始めており、2011年秋には部品の機械加工も開始する予定。

 一方のタービン・発電機工場は、L&T-MHI Turbine Generators Private Limited(本社ムンバイ:L&T-MHIタービン・ジェネレーター)が運営。敷地は約28万m2で、5万3,000m2のタービン用建屋および発電機用建屋で構成し、各種の大型機械と試験装置を備えている。同工場では、アンドラプラデシュ州に建設中の石炭焚き火力発電所向けに受注した超臨界圧タービンを製作中で、昨年末からサイトへの納入も開始している。

 合弁2社の設立はいずれも2007年で、L&T-MHIタービン・ジェネレーターには、発電機の技術供与を担当する三菱電機も出資している。両社は設立以来順調に受注を重ね、60万kWから80万kWのボイラー7缶、タービン9基の受注をすでに確定し、インド火力発電設備の業界で確固たる地歩を固めつつある。

 L&Tはムンバイに本社を置く同国の建設最大手で、総合重機メーカーとして化学プラント機器や圧力容器の製造なども手掛けている。同社は事業拡大のため、大型火力発電設備事業に進出するに当たり、同事業分野の先端技術を持つ海外企業との協業を計画。成長著しいインド市場への足掛かりを求めていた当社との提携が実現したもの。

 三菱重工業は合弁2工場の本格稼働を弾みに、今後も多数の新規火力発電所建設が計画されているインド市場で、超臨界圧ボイラー・タービン設備の需要開拓に一層力を注いでいく。