NTN( http://www.ntn.co.jp )は、数pl(ピコリットル:1兆分の1リットル)程度の極微量な液滴を千分の1mmの位置精度で、直径百分の1mm程度の点状に微細塗布できる「卓上型微細塗布装置」を開発した。
同社は、液晶TVなどフラットパネルディスプレイ(FPD)の修正装置、特に、液晶ディスプレイのカラーフィルタ修正装置で世界No.1の販売実績を持っている。本装置は、このカラーフィルタ修正装置の“修正インク塗布機能”(以下、塗布機能)を卓上型装置として提供することで、先端技術分野の研究開発用途などへの展開を狙った商品。
本装置は先端に極微量な液滴を付着させた針(塗布針)を対象物に接触させることで、液滴を転写·塗布するという独自の塗布方式を用いており、液滴量を正確に制御できるとともにノズルが詰まることもない。また、標準仕様で塗布液体容器と塗布針を2セット装備しているため、用途に応じて2種類の液体を選択しながら、連続的に塗布することも可能。
研究開発や試作·少量生産現場での塗布機能の活用を想定しており、コンパクトな卓上サイズとすることで装置の設置を容易にするとともに、パソコン画面を見ながらマウス操作により塗布位置を指示するだけで簡単に微細液滴塗布ができるよう利便性も考慮している。
対象用途は、細胞培養・バイオ・新薬の研究開発の試料・試薬などの極微量分注、電子回路(集積回路)の試作開発の導電性ペースト塗布による配線変更·修正、マイクロマシンなど微細部品の組立作業の接着剤などの塗布・液体材料の開発などの導電性ペースト・カラーレジストの特性評価などを想定している。