三菱重工業( http://www.mhi.co.jp )は、株式会社ゆりかもめから東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)向けの全自動無人運転車両(APM)108両(18編成)を一括で受注した。既存車両の更新用として2013年度から順次納入し、営業運転される計画。
今回の新車両は、従来の鋼とステンレスに代わってアルミを採用し、車両を軽量化することでエネルギー効率を大幅に向上させたほか、高いリサイクル性も実現。また、車体・車載機器ともにメンテナンス性の向上もはかっている。
さらに、観光や通勤など多様な利用目的に対応するユニバーサル・デザインを導入して、快適な車内空間を創出した。今回の受注は、これらの優れた特長が、コンペティションで総合評価され決定したものという。
新交通ゆりかもめは、新橋駅から豊洲駅まで、都心と東京臨海副都心の16駅を結ぶ14.7kmの公共交通機関。沿線には、臨海副都心のシンボル地区である汐留、お台場、有明などを中心に数々の観光スポットやコンベンションホールなど集客施設が林立し、利用客数でわが国新交通1位の人気路線となっている。開業は1995年11月。1日の平均利用客数は約10万3,000人(2008年実績)。
株式会社ゆりかもめは、1988年に東京臨海新交通株式会社としてスタートした東京都の第3セクター。1998年に現在の社名に変更。2006年には路線を豊洲まで延長、今後も、観光需要に加え、高頻度の通勤需要の増加も見込めることから、最優良の交通事業者となっている。
APMは完全自動運行システムで無人走行する新交通機関。電気で動くため排ガスで空気を汚さず、また、ゴムタイヤ走行方式を採用しているため、運行が滑らかで、低騒音であるのが特長。三菱重工業はこのAPMシステムをこれまで、マイアミ、ワシントン、アトランタなどの米国の空港向けのほか、香港、シンガポール・チャンギ、韓国・仁川、ドバイの各空港向けに受注しており、世界市場でトップを争うポジションを確立している。
同社は今回の100両超のAPM車両一括受注を弾みとして、今後も、世界各国の空港向けや都市交通向けに、さらに積極的な営業を展開していく。