三菱重工業( http://www.mhi.co.jp )は、インドのマハラシュトラ州発電公社から超臨界圧※石炭焚きボイラーと蒸気タービン発電機各3基を受注した。
経済成長に伴う地域の電力不足解消のため、同公社がマハラシュトラ州コラディに建設する出力各66万kWの超臨界圧石炭焚き火力発電所3系列に納入するもので、2013年末より順次運転開始の予定。
今回の受注は、インドの建設・重機最大手ラーセン・アンド・トウブロ(L&T)が元請けとなりとりまとめたもの。ボイラーについては、L&Tと三菱重工業の合弁会社であるL&T-MHIボイラーが、また、蒸気タービン発電機については、同じく合弁会社であるL&T-MHIタービン・ジェネレーターが担当し、三菱重工業はボイラーおよび蒸気タービンの中核部品をそれぞれ合弁会社へ供給する。発電機の中核部品については三菱電機が担当する。
L&T-MHIボイラーおよびL&T-MHIタービン・ジェネレーターはそれぞれ2007年4月と同12月の設立。両社とも当社から技術の供与を受けて事業を展開している。
同公社はマハラシュトラ州政府が所有するインド第2の電力会社。2005年6月にマハラシュトラ電力庁を再編成して設立されたもので、石炭焚き火力約680万kW、水力発電約234万kW、天然ガス焚き火力約85万kWの計約999万kWの発電能力を持つ。
超臨界圧火力発電は高温・高圧の蒸気を用いることにより、エネルギー効率が高く、CO2の排出が少ないなど、環境負荷が低いのが特徴。ボイラー、タービンなどの設備・機器は高い耐熱・耐圧性能が必要だが、三菱重工業は独自の技術開発により、国内外で豊富な納入実績を持つ。
同社は今後も、L&Tおよび同社との合弁会社と共同で、インドにおける高効率の超臨界圧ボイラーや蒸気タービン発電機の受注活動を積極的に展開していく。
※超臨界圧
水は374℃、22.12Mpa(大気圧の約220倍)の臨界点を超えた環境下で、液体と気体の両方の性質を備えた活発な状態(超臨界水)となり、水蒸気に連続して変化する。超臨界圧ボイラーおよび蒸気タービンは、この臨界点を超える状態(具体的には温度600℃、大気圧の約250倍)で運転する。